oo-arashi’s blog

遊戯王1103環境について語ってます

【1103】制限・準制限カードは入れ得か?

 

はじめに

何故禁止制限が存在するのか?わざわざここから語る必要はないですよね。答えは勿論バランス調整コナミの商売です。

制限や準制限の規制がかかるカードは、強過ぎるが故に制約を受けるわけですが、では規制がかかったカードは問答無用のパワカなのか?思考停止でデッキに組み込んでいいのか?今回はこの部分に待ったをかけるために記事を執筆しました。

特に1103を始めたばかりの方は、デッキの余った枠をこれらのカードで適当に穴埋めしがちだと思うので(かくいう自分がそうでした)、今一度制限・準制限カードの弱さの部分を見つめ直すきっかけにして頂ければと思います。

タイトルは分かりやすく、制限・準制限「カード」としてしまっていますが、その中でも語りたいのはいわゆる汎用魔法罠カードなので、その点ご承知おき下さい。この記事で触れるのは下記のカード群になります。

正直最後の罠カード3種を語るためにこの記事を書いているので、飽きてきたらそこまで飛ばしてしまってもいいです...

魔法カード

これまでの六武衆の記事で、ハリケーン/月の書には既に触れていることもあり、魔法カードについてはあまり新しいことを言えないと思います。

 

サイクロン

まずは軽めの議論から。サイクロンは多くのデッキでフル投入が基本ですが

  • Rライトジャスティスを持っているアライブHERO
  • ベスト/ガイザといった魔法罠破壊カードにアクセス可能な剣闘獣
  • シエンを持っている六武衆

なんかは、メインギミックでの動きと仕事が被るため、サイクロンに枠を割かないこともあります。

ただし、この時代の永続カード(六武/暗黒界の門、解体新書、血の代償等々)が強いことも事実であり、サイドデッキから飛んでくるメタカード(次元、スキドレ、お触れ等々)で詰みかねないので、上記デッキでもサイドまで込みで考えると、フル投入している事が多いです。

 

ブラックホール

入れ得かと思いきや、意外と入ってないデッキがあるのがこのカード。

  • 先攻制圧に長けた六武衆/ラギア
  • 盤面にモンスターを維持し続けたいカラクリ、アライブHERO

なんかは入っていないレシピもあります。

高打点を出されるとキツい六武衆/ラギアは、返されることを想定してこのカードを入れるか、返されないようにこの1枠を罠にするかの2択で、個人の好みが出ると思います。

展開力に長け、盤面を返すだけなら苦ではないカラクリ/アライブHEROは、フィールドを更地にするだけのこのカードではなく、返した上で自分の盤面にモンスターを立てるための展開カードや、妨害を貰わないための罠対策をこの1枠に入れる方が理にかなっているのかもしれません。

 

ハリケーン

発動しただけでは-1アドするこのカードは、入れ得ではない事は周知の事実だと思います。主な採用デッキは代行者/ジャンド/カラクリといった、発動ターンでの1kill、もしくは勝負を決めるようなアドバンテージの獲得が可能なデッキに限られてきます。

面白い所だと、門を確実に通しつつ、墓穴で相手の伏せを見られるようにする暗黒界での採用がありますが、いずれにしろコンボデッキでしか採用されず、ガジェやヒロビのような堅実に戦うデッキでの採用はあまり見られません。

以前の記事でも書きましたが、六武衆での採用は諸説あると思いますが、自分は否定派です。

 

死者蘇生

ハリケーン同様展開デッキでは必須級のカードです。また、ハリケーンが入らないガジェやヒロビでも採用されるカードですが、この場合は思考停止で入れていいカードではないと思っています。蘇生対象は試合の中で決まるものですが、採用の時点でこのカードの役割を明確にしておくべきでしょう。

また、DDクロウを貰いやすいデッキを使う時は、サイチェンで抜くことや、意識的に相手の墓地のモンスターを対象に取ることも考えるべきカードです。

 

月の書

こちらも以前の記事で触れました。採用の判断基準は、裏にしたモンスターを次ターンで処理しやすいデッキか、戦闘破壊をすることに価値を見出せる(919/グアイバ)か、自分のモンスターを守ることに使えるか(高守備力/戦闘耐性(=グラファ))といったところです。

ただし、速攻魔法で妨害をしようとすると、このカード以上の適任はなかなかなく

  • パルキオンで詰みかねないデッキ
  • 七つ道具/トラップスタンで展開を通されたくないデッキ

なんかは、“嫌々”採用せざるを得ないのも事実です。この記事のテーマでもありますが、制限カードとはいえパワカではないと自分は考えています。

 

罠カード

魔法カードは割と無難なことを書きましたが、罠については諸説あると思います。一つの考え方として流して頂けると幸いです。

 

奈落の落とし穴

要議論カードです。とりあえず1積みする分には思考停止でいいと思っているのですが、2枚目の採用はよくよく考える必要があります。

後述する神の警告とは、無効か成功時かの違いはあれど、召喚時に発動する点で役割が被ります。デッキによっては、奈落ラインを下回るモンスターから、奈落では止まらないトリシュ/ブラロ/パルキオンが出てきたり、一方で、奈落が刺さるデッキは対策として聖槍(一部デッキではデュアスパ/ゴトバ)が標準搭載されているので、役割をこなしづらいです。

個人的に六武衆での2枚目の奈落は信用出来ません。

 

神の警告

この時代の主役です。いかにこのカードで2-1交換されないように動くかが、プレイヤーの腕の見せ所です。

採用が見られないデッキとしては

・初手でライフ4000を払うことのあるアライブHERO
・ヴィーナスのライフコストとの兼ね合いがある代行(それでも警告抜きは稀)

・墓地肥やしを多用するジャンド

があげられます。

この記事のテーマには合っていませんが、上記デッキでなければ思考停止して2積みしていいカードだと思います。

しかしながら、神の警告1積みで結果を出された方もいます。

https://note.com/t_fort_morikawa/n/n09e75082e4ac

*1

正直警告は0か2かだと思っていたので、レシピを見た時は電流が走りました。以降罠を散らす理論の信者です。

 

神の宣告

ここまで挙げたカードの中でも、かなり採用率の高めのカードになると思います。採用しない事が定石なのはジャンドのみと言っても良く、あとは個人の感覚で抜いてる方をごく稀に見かけるくらいです。

正直神宣を抜こうって発想が出ること自体凄いなと思います。六武衆は流石に入れ得だと思っていますが、ライフを半分払ってまで止めたいカードがないデッキも、案外あるのかもしれません。ちゃんとした理論が裏にあるなら、神宣outも選択肢の一つとしてありだと思います。

余談ですが、◯◯ケアって言葉は色々ありますが、神宣ケアって聞いたことないですよね。まぁモンスターの召喚も魔法罠も止められるからケアもクソもないですが。

 

王宮の弾圧

(ハリケーンは置いといて)1103から近い将来に禁止になるカードで、流石にカードパワーは高いです。しかしながら、この高すぎるパワーは相手も発動出来てしまうため、扱いこなせるデッキが限られてきます。

個人的には

  • 採用する下級モンスターの打点が高い
  • 特殊召喚機会が少ない
  • 相手の高打点への処理手段がある

くらいまで揃ってないと入れ得ではないと思います。環境上位デッキで採用が安定しているのは、上記を満たしているラギアとヒロビ(と六武衆)で、他のデッキは個人の感覚で入ったり抜けたりです。

また、上記の3条件の他に、任意解除(ゼピュロス/ファルコン)出来たり、弾圧で止まらない特殊召喚(ヴァーユ)が可能なデッキはこのカードをフルパワーで活かせます。というより、墓地BFなんかは弾圧一枚で飯食ってるようなもんです。

 

ダストシュート

弾圧と同じくいずれ禁止になるカードです。自分は最初の記事で、このカードを入れ得のぶっ壊れカードと言ったのですが、時が経つにつれて当時の考えが浅かったなと思うようになりました。このカードについては、大きく分けて下記3分類で考えています(あくまで個人の感想ry)。

 

・ダストシュートのパワーを活かせるデッキ

先攻1ターン目に通常ドローとは別でドロー手段を持っているデッキ

→六武衆(結束)、カラクリ(新書)、代行(宝札)

 

・入れない方が良いデッキ

短期決着はあまり見込めず、サーチや墓地肥やしを多用する事で、デッキ内のカードパワー(=トップのドローの強さ)を徐々に上げていくデッキ

→ガジェット、ジャンド

 

墓穴の道連れというピーピングハンデス可能なカードを採用しており、コンボとは関わらないカードを採用する事で事故率が上昇するデッキ

→暗黒界

 

・どちらとも言えないデッキ

高い打点から短期決着も可能で、相手の手札を見る事の価値は高いが、固有のドロー手段を持たないデッキ

→ラギア、ヒロビ

 

このカードについて最近思ったこととして、1103環境の練度が上がるにつれ、相手の手札や伏せが読めるようになり、結果としてダストシュートを必要としなくなる(というより、そうならないといけない)のだろうなと考えています。

また、このカードのサイドデッキ採用について、当初は「先攻時に入れるのかな」くらいの浅はかな考えだったのですが、手札を溜め込みやすいデッキ相手には、後手でも入れる戦法があるらしくたまげました。というか、そういうのどっか書いてくれよ!と思ったのでこの記事を書いてる節はあります。

 

激流葬

弾圧よろしくパワカなのは間違いないと思うのですが、扱いこなすにはデッキとの相性が重要なカードでもあります。採用が難しいデッキはブラックホールと同様で、六武衆/ラギア/カラクリ/アライブ辺りになってくると思います。

これまで挙げてきたカードとは少し毛色が異なり、上記デッキでのこのカードは、採用したくても採用出来ないと言った方が正しいでしょう。正直、相性の悪さからこのカードを採用出来ないという点だけで、デッキの評価を下げる一因になり得ると思います。採用率が低いので、このカードをケアせずに展開され、実際に伏せてないので咎められない、という状況に陥りがちです。

しかし、これは裏を返せば、上記デッキでの激流葬は読まれ(ケアされ)づらいということでもあります。相性の悪さは伏せるタイミングとかでカバーできれば、他のデッキが使用するよりも奇襲性の高い激流葬になります。

とは言いつつも、シエンのようなモンスターが成立している場面でこのカードをドローすることも当然あるわけで、採用しないことが定石のデッキでの採用については、一長一短ある本当に難しいカードだと思います。

 

聖なるバリア-ミラフォース-

この記事で最も語りたい部分なので長めになります。結論から言うと「聖バリ、入れない方が強いんじゃね?」です。

これまで挙げてきたカードの中で、おそらく最も採用率が高く、弾圧や激流葬と違って、相性が悪いからデッキに入れないといったこともありません。おおよそ抜く理由のないカードであり、効果も制限カードに恥じないパワーを持っています。

ただし、このカードの最大の強みは「見えていない」時であり、「見えた」聖バリほど弱いものはありません。勘のいい方だと、何が言いたいのか薄々気付いたかもしれませんが、順を追って説明します。

 

先にも挙げた〇〇ケアについて、間違いなくこのカードは“聖バリケア”をされるカードです。また、激流葬とは異なり、基本どのデッキでも採用されるので、ケアは当然≒有効に機能する場面が訪れづらいと考えます。あるとしたら、聖バリをケアする余裕がないほど、相手を追い込んだ時ではないでしょうか。

ケアされている間は、このカードの発動で1-2交換出来る事は稀です。これ以上ライフを減らせない/モンスターを戦闘破壊されたくないシーンが訪れ、1-1交換で発動することはよくあると思います。

しかし、ここで発動してしまうと「見えた」聖バリの弱さが出てきます。相手は聖バリケアが必要なくなり、モンスターを横並べにして一気にライフ/ボードアドを取ることが可能になります。

ケアされている間は1-1交換しか見込めないのであれば、聖バリの枠を次元幽閉に変えるのも手かと思います。単体に対する破壊<除外の優位性だけでなく、聖バリを使わないことによって、相手に「ケアをさせ続ける」ことが、構築の段階から可能になるのではないかと考えています。

 

とはいえ、仮に上記理論が有りだったとしても、次元幽閉が聖バリの上位互換カードにはなり得ません。何故かと言えば、次元幽閉では対処出来ず、聖バリであれば対処出来るモンスターが存在するからです。遊戯王って上手く出来てますね。

ただ、この記事で伝えたいのは、幽閉と聖バリのどっちが強いかではなく、聖バリを入れない事のメリットです。先程は、聖バリを発動した前提で幽閉との比較をしましたが、発動せずとも聖バリが「見える」場面が複数あります。

 

  • エンドサイクされた時

一番想定しやすいシーンですね。GWの寒波亭では、3伏せ→エンドサイクで聖バリが割られた事で、一気に6000近くダメージを取られました。聖バリが見えていなければ、ひとまず盤面に立っているモンスター1体で、様子見の攻撃で済んだのではないかと思います。

 

  • デッキから直接墓地に落ちた時

Cドラゴンからの攻撃は想定していないので、主にライトロード、カードガンナーによる墓地肥やし(≒ジャンド使用時)を想定しています。墓地肥やしで聖バリが落ちるデメリットは、聖バリを採用するメリットを超えかねないのでは?と思っています。

ジャンドにわかの浅い自分が語ることではないですが、サイチェンで聖バリを抜くことで、先ほどの「ケアをさせ続ける」プランは、割と有り寄りと考えます(定石だったらすいません)。

 

  • 強欲で謙虚な壺で捲られた時

上記墓地肥やしと違って、多くのデッキで起こりうるシーンです。そのまま聖バリを加えたらケアされることは言わずもがな、かといってデッキに戻せば、相手はケアが必要無くなります。強謙で捲れた時点で詰んでいるので、これを避けるには聖バリor強謙のどちらかを不採用にするしか回答がありません。

ちなみに、聖バリを次元幽閉に変えつつ、デッキに戻すプレイをすると、攻撃反応は持ってるのかなと、聖バリを匂わせることが出来たり出来なかったり…?

 

ここまで聖バリを抜くことを推しまくりましたが、鵜呑みにはしすぎないで下さい。元々罠は散らす理論信者なので、聖バリを抜いて幽閉を2にするのが絶対正解とは思いませんし、メンタルスフィアに弱いデッキなら尚更です。

ただ、メインの1枠をどうしても削りたい時に、これまで聖バリを抜くことを視野に入れてこなかったのであれば、これを機に一考してみる価値はあると思います。

 

終わりに

ここまで読んで頂きありがとうございました。想定していた以上の文量になってしまい、読んでる方も疲れたと思います。普段の六武衆記事とは違い、汎用カードをテーマにしたので、いつもより読み応えのある記事になっていれば幸いです。

「終わりに」で書くことではないんですが、この記事は先週には完成していたのですが、今回チーム戦ということもあり記事を温めていました。その間で思ったこととして、ハリケーンや弾圧のようなピーキーなカードだけでなく、月/奈落/宣告みたいな汎用性の高いカードでも、使用デッキによって評価がかなり変わってくるなと思いました。今回幅広に汎用カードを語りましたが、前提として筆者が六武衆使いであることは、頭の片隅に置いて頂いた方がいいかもしれません。

強欲で謙虚な壺信者なので、いつかこんな感じで強謙の記事を書きたいな〜とも思っています。

 

*1:多分自分の記事で2、3度は引用してます。ふぉるさん面識ないのにすいませんデッキ構築においての信者です!→本日対戦ありがとうございました!サブトナメ変なデッキ使ってすいません!