はじめに
昨日の寒波亭はお疲れ様でした。結果は3-3と振るわなかったけど、先に記事書いちゃってるので放出します(涙)。相変わらず文量が多いのは、寒波亭1回分(約3ヶ月)を開けてデッキの方向性が根本から変わったためです。
今回も変わらず前後編の二部構成で記事を書いていて、前半はデッキ構築編、後半は実際の対戦レポートといった形式です。それでは早速デッキ構築編へ。
デッキの方針転換
世間一般では六武衆=アグロ(高速)デッキであり、カードゲームにおいて、アグロはコントロール(鈍足)デッキには有利だが、ミッドレンジ(中速)デッキには不利という通説があります。アグロ/ミッドレンジ/コントロールの区分で1103を考え始めたのは割と最近ですが、元々自分の六武衆は、強謙で有効札を引きに行くミッドレンジ寄りの構築をしていました(以降これまでの自分の構築を「ミッドレンジ型」と呼称します)。
第13回終了以降の調整では、アグロ/ミッドレンジを明確に分けてデッキを2つ作り試行錯誤していました。今の環境デッキはジャンドを除いてほとんどがミッドレンジであると認識しており、アグロでは厳しい立ち位置は変わらないだろうと考え、正直今回もミッドレンジ型で行くつもりでした。*1
しかし、調整を重ねるほどアグロ型の方が勝率が良いことに気付きます。ここは根拠のない感覚ですが、デッキにとって不得意な方面をカバーするより、得意な方面を伸ばす方が良いということでしょう。一応それっぽい根拠を述べておくと、ミッドレンジで戦おうとすると、アドバンテージを稼ぐカードはヤイチのみと言っても良く、採用しているモンスター(特にキザン)がほとんどバニラ同然となる部分に足を引っ張られていたように思います。
このような経緯があって、今回は“高速で相手のライフ8000を削り切る”をテーマに構築したアグロ六武衆となっています。言ってしまえば古事記にも載っているような由緒正しき型ですね。それでは採用カードについて見ていきます。
不採用カード(前回からの比較)
戦法をミッドレンジ→アグロに変更したことによって抜けていったカードです。解説するほどの中身はないのでサラッと流します。
六武衆-ヤイチ(2枚目)
ミッドレンジ型ではこのカードの1アドを中心にゲームメイクしていくため、ヤイチを2回使うことを想定していました。しかし、「ヤイチを2回使う=攻撃を2回放棄する」ことに繋がり、今回の”高速で相手のライフ8000を削り切る“目的とは反するため、採用枚数は1枚までとなりました。
成金ゴブリン/強欲で謙虚な壺
決着速度を落とすカードのため。
ブラックホール/聖なるバリア
短期決着を目指す=相手の場にモンスターが複数並ぶ事を想定していないため、プラン通りにゲームが進んでいるうちは必要のないカードです。むしろ、これらのカードを引いて足踏みするターンが致命的と考えました。
とはいえ、特に後攻時は思い通りに試合が運ばないため、ブラックホールはサイドデッキに残しています。聖なるバリアを抜いた理由は過去記事を参照してください(宣伝)。
https://oo-arashi.hatenablog.com/entry/2023/07/17/202144
禁じられた聖杯/六尺瓊勾玉
決着速度にはあまり関わらないカード(なんなら聖杯の+400は追い風)ですが、他にもっと良いカードがあったため。
採用カード
今回のテーマである“高速で相手のライフ8000を削り切る”を達成するには、
- モンスターの増量
- 速度の上昇
この2点で変化が必要だと考えました。採用しているカードはこのいずれかを意識しています。
六武衆の露払い(2枚目)
ミッドレンジ型では強謙や成金込みで六武衆を2体揃えていましたが、それらを抜くと動き出せずに負ける試合が結構な頻度でありました。そのため、六武衆モンスターは増量したいものの、ヤイチは攻撃不可の制約から減らす必要があり、必然的に露払いの2枚目が入りました。
アグロ戦法を取る以上、ゴーズにビビッて直接攻撃せずに試合を長引かせるプレイは負け筋に繋がってしまうため、ゴーズ対策になるこのカードは持っているだけである種の保険になります。ガジェットに殴り殺されず、狼煙でサーチ出来る単体最高打点でもあり、アグロ戦法を取る上では重要な役割を果たしています。
紫炎の老中エニシ
「真六武衆エニシと間違えてるし、荒行入れ忘れてますよw」そんな声が聞こえますが大丈夫です。こっちであってます。凄い雑に効果を説明すると、表側モンスターを破壊する六武衆版カオスソーサラーです。
墓地リソースと引き換えに出す打点2200は、速度の上昇に大きく貢献します。基本的に決着がつくタイミングまでは抱えているので、活人剣術とのリソースの食い合いは気になりませんでした。
このカードは明確にブラックホールと入れ替えています。ブラックホールは返し札ではありますが、こちらが不利になるまで手札で抱え続ける点が、ミッドレンジ型の頃から気になっていました。その点エニシは返し札として抱えつつ、1Kill/2Killが見えた時の追撃にも使えるため、デッキコンセプトにピッタリです。
ちなみに、このカードを入れる発想が出たのは、くりすまさんの当時(?)レシピを見て、「いいカードあるやん!!」となったのがきっかけです。*2
死者蘇生
このカードも速度の上昇を目的としての採用です。また、この採用理由から、蘇生の対象として想定しているのはシエンではなく、1Kill/2Killが見えた時のカゲキです。ただの17打点の(ほぼ)バニラに蘇生を使うのは気が引けるかも知れませんが、シエンが倒されるまで温存していては元も子もありません。
王宮の弾圧
これまでの六武衆記事では、このカードは六武衆に合っていないと評価していましたが、ミッドレンジで戦っていたのが起因していたと思います。あちらは初手でモンスターを召喚しないことも多く、そうなるとライフ不利からゲームがスタートするため、弾圧を開いた後のライフレースで先にこちらが弾圧を使えなくなっていました。
一方アグロ型では、序盤に一気に展開するため後半の特殊召喚機会が減り、相手のライフも先に大きく削っていることが多いため、相手が弾圧を発動できない/発動しても800バーンが致命的だったりと、戦法にマッチしたカードです。
モンスターを増量した分、少ない罠で戦わなければならず、一枚で相手を完封し得るこのカードはそういう点でも噛み合っていました。
強制脱出装置
こちらも速度を上げる目的での採用になります。先攻2ターン目の8000点が既にみえている状況であれば、相手の後手1ターン目のどんなモンスターにも積極的にプレイが出来ますし、元々苦手な裏守備モンスターへも、テンポをとる事で次ターンの容易なセットを防げます。
王宮の弾圧下で万一突破困難なモンスターが出てきてしまっても、最悪な状況をリセットできるので、弾圧を入れるなら脱出はセットで運用するべきカードです。六武衆が優勝した時には必ず入っているセットなので、勝利のためには必須枠なのかなとも思っています。
アドバンテージを失いがちなカードですが、結果相手のライフを0に出来ればそこは気にする必要がありません。カードアドよりライフアドを優先するプレイは、アグロ型を使う上で押さえておくべきポイントです。
トゥルースリィンフォース
こちらもモンスターを増量する目的での採用。相手ターンでの発動が常なので、次ターンで結束をドローした場合のカウンター1個分の損は気がかりですが、アグロ型は動き出す事が何より重要なので、そこは気にしてはいけないポイント。
奈落の落とし穴
第13回のレシピで奈落0が響いたため採用。脱出3枚目の方がコンセプトにはあってるかもしれませんが、ラギアや代行を意識すると1枚は欲しいです。
心鎮壺
「相手が解決札(サイクロン)を引く前に、アグロで決着をつける」というコンセプトに合ったカードですが、ぶっちゃけアグロ型でなくても強いです。シエン+心鎮壺はサイクロンによる解決すら許さず、封じたカードをヤイチで確実に破壊出来るため、そもそもが六武衆との相性のいいカードです。
先攻取ってこのカードを決めた時の強さは、かのダストシュートにも匹敵するほどのパワーを感じます。また、ダストと違って後手でも使えるので、採用を後悔するシーンはほとんどありませんでした。
AOJディサイシブアームズ/スクラップドラゴン
1ターンでも早く決着をつけたいため、元々採用していたランク4よりも突破力のあるこの2体が帰ってきました。
特にスクラップドラゴンはこれまで御前対策専用と考えていましたが、アグロ型では効果使用済みのヤイチ+活人剣術や、エニシ+影武者での連続破壊による1killが見込めるため、認識を改めています。
ダイガスタフェニックス
はっきり言うとJ-SPEEDリスペクトですが、一応採用に踏み切った理由を書いておきます。
氏と同じく、影武者2枚しかモンスターを引けず動き出せない事は一つの懸念点でした。トゥルースリィンフォースを入れたこともあり、影武者2枚は場にだせるが残りは全て防御札、という時に唯一の戦う手段になります。
もう一つの採用理由は、もちろんKill速度を上げる事ですが、このカードが入っていることで可能になるルートがあります。LP8000を削り切るパターンとして、シエン+師範(orキザン)をベースに、残り3400を削る手段を考えていきます。
残りをモンスターだけで賄おうとすると、キザン絡みか、カゲキ(2枚目)+カゲキ(3枚目)でないと削りきれず、中々要求値が高いです。ここが活人剣術だと、あとはほとんどの六武衆モンスター1枚で事足りますが、影武者だけは火力が足りません。
ここでダイガスタの出番です。活人(カゲキ影武者)+影武者を場に出し、ダイガスタXyz、効果でカゲキ(風)に2回攻撃を付与すれば、2500+2100+1700×2で綺麗に8000です。
Killルートでありがちな、相手フィールドにモンスターがいたら届かない問題も、余ったダイガスタでグリーンガジェットの突破まで可能です。
カゲキ/影武者/師範(orキザン)/活人/影武者と要求枚数の多いルートですが、活人を除く全てが6枚積み以上のカードのため、ダイガスタが活きるシーンが来ると見込んで採用に踏み切りました。ただ、本気で勝ちを獲りに行くならこの枠はアンドロイドかもしれません…。
サイドデッキ
カオスポッド
色んな対面の後手で入れます。以前は、裏守備はケアされるため評価を下げていたのですが、意外とそんな余裕ないなと思うようになりました。カオスポッド is kami.
モンスターの少ないラギアやヒロビ相手に入れて、落ちた魔法罠を見る目的があったりします。
昇天の黒角笛
くりすま大先生より、「カラクリは召喚無効+七つで構えろ」以上!!
ダストシュート
最近の寒波亭で、六武衆で最も結果を出している南の四天王さんのパクリスペクトです。初めの頃は、「ダイス勝って先攻噛み合った時に優勝出来ればいいや」くらいの甘えた考えだったのですが、「先攻を取ってる時点で有利なんだから、それを後押しするこのカードに頼るのはやめた方がいいんじゃないか?」と思うようになり、とうとうダストシュート教を卒業する日が来ました。福々雪合戦ではメイン採用でしたが、後手捲りに使える激流葬と入れ替えています。
砂塵の大竜巻
無難なカードです。後手を取った時の敗因としては、やはり相手の罠を超えられないことや、永続カードによるアドの突き放し、ロックが要因と考えたため、それらを確実に1:1交換で抑えていくのは単純ながら重要です。
おわりに
ここより↑の部分は、寒波亭前に書いていた内容になります。正直優勝する気マンマンだったのですが、結果は3-3と語ってる場合じゃありませんでした。
今回由緒正しきアグロ型の六武衆を使うにあたって、当時のレシピ(http://duel-entrance.seesaa.net/article/215156587.html)まで遡って参考にしました。特に露払い2枚目、死者蘇生、心鎮壺辺りは強く影響を受けています。ミッドレンジ型を使っていた頃はこれらの採用意図がよく分かっていませんでしたが、今ではなんとなく分かります。
ひとまず本記事としてはこんなところで。もう一本大会レポート編を描きます。